クロエ ボストンバッグどのブランドの良い,クロエ激安店本物,ブランドクロエ ボストンバッグ|クロエ ボストンバッグ加盟 Glass


2015-02-05 16:09    クロエ ボストンバッグ
「まあ、旅館ていえば旅館だけど……寺沢さんはそれ、ガイドブックで読んだんでしょう、『御花』のことを料亭旅館て書いてある。僕も最初、あの本で読んだけど、あれ、ちょっと古い感じですね。さっき見てきたばかりですが、ほんとうは、どちらかというと、ホテルっていうイメージかな。部屋とか庭とかは日本風だけど、ほかのロビーなんかは完全にホテル風で、とてもいい。ん? というと、あなたはお泊まりは『御花』じゃないんですか?」 「ええ、まだどこも決めないできたんです。泊まるところがなければ、福岡に戻ればいいと思ったものですから」 「しかし、まだ柳川に来たばっかりでしょう。柳川にはまだまだ見るところが沢山ありそうですよ。もし泊まるのなら、ぜひ御花にしなさい」 「そんなこと、あなたに命令される義理はありませんよ」  詩織は冷たく言って、立ち上がった。 「あははは、失礼しました」  木下陽一は照れたように笑った。  その木下を尻目《しりめ》に店を出たものの、詩織は最初から御花に泊まるつもりで、すでに宿泊の予約をしていた。旅の雑誌で御花の評判を知っていたし、いまさら、この街でほかにいい旅館を探す自信もないし、第一、そんなエネルギーが残っていなかった。  うなぎ屋を出ると、御花はほんのすぐそこにあった。広大な敷地の中に建つ、まるで東京・赤坂《あかさか》の迎賓館《げいひんかん》を思わせる西洋館が、かつての立花家の別邸だという。むかしの殿様・華族の暮らしがどんなに豪勢であったかの象徴のようなものだ。  その向こうに新館ビルが建っている。こっちのほうは、木下陽一が言ったとおり、東京のホテルと変わらない、瀟洒《しようしや》な近代建築であった。  ガイドブックによれば、ほかに、いちどに三百人ぐらいは楽に食事ができそうなレストランの建物や、松濤園《しようとうえん》とよばれる庭園の池に面した、古い日本建築の料亭もある。鄙びた田舎街《いなかまち》かと見くびっていた詩織が、度胆《どぎも》を抜かれるほどの規模だ。  詩織は念のため、フロントで、木下陽一という人が泊まっていないかどうか調べてもらった。しかし、宿泊者の中に木下という名前はなかった。  客室は和洋折衷の広々としたツインルームで、ここに一人で泊まるのはもったいないくらいであった。  窓から見下ろすと、松島湾《まつしまわん》を模したという池を中心にした、みごとな庭園が広がって、そこに無数といってもいい水鳥が羽根を休めていた。詩織は旅の本来の目的を忘れて、ほうっと気抜けしそうな、穏やかな気分になっていった。     4