miumiuミュウミュウ2013年秋冬新作レザーラウンドファスナー長財布5m0506 3r7
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null とたんに自分の格好が恥ずかしくなってきた。  胸にパッドまでつけて、スカートを穿いて、姉のセーラー服を着て……。  カチューシャで髪を飾って……。  姉のコロンまで振って、おしとやかに内股で歩いて……。  ——僕はいったいなにをやっているんだろう。運転手に逢って話を聞くなんて、お姉ちゃんを苦しめるだけじゃないか。  マイナス思考のデフレスパイラルに落ちこみそうになったときのことだった。 『あ、あの人だわっ。高志っ、ぼんやりしているんじゃないわよっ!!』  顔が自分の意志とは関係なく、右側を向いた。  まるで見えない手に頬を挟まれ、ムリヤリに右を向かされたみたいだ。 『え? う、動かせたわ、なんで?』 「えええっ?」 『それどころじゃないわっ。あれを見てっ!! あの人よっ。ほ、ほらっ、向こうのほうから歩いてくる。事務所に入るつもりなんだわっ!!』  中年男性が歩いていた。  薄汚れたジーンズにシャツという格好で、のんきに口笛を吹いている。  鍵のヒモを指先に掛け、鍵をぐるぐるさせていた。  高志は呆然と立ちつくした。  ——こんな人だったのか……。  姉を轢《ひ》き殺した犯人、まして大型トラックの運転手だから、大柄でたくましい男性を想像していた。